他人事じゃない、どころではなく

堤未果さんの『沈みゆく大国 アメリカ』を読了しました。

実はわたくし、同氏の『貧困大陸アメリカ』シリーズをまだ読んでおりません。前評判である程度の内容を知ってしまったため、ついつい他の本を優先させてしまって読みそびれ続けているのです。だから本当はそちらを先に読破しておきたかったのですが……

読んでよかった。
世界を呑み尽くそうとするグローバリズムの波、超大国アメリカの内実の悲惨さは、各方面の情報から多少知ったつもりでおりました。情報鎖国ニッポンから見ればよほど健全と思えるアメリカのジャーナリズムも、実は言うほど「まとも」ではないという話も聞きかじってはおりました。
しかしまさか、これほどとは。

国民皆保険のないアメリカがついに手に入れた希望のシステム、《オバマケア》。その狡猾にして酷薄、いやむしろ残忍とも言うべき《国民生活破壊のメカニズム》は、これが紛れもない現実なのだという認識を背景とするとき、凡百のホラー映画を凌駕する恐怖を読者にもたらしてくれます。

映画『シッコ』をご覧になった方なら、アメリカではお金がなければ(保険に入れなければ、もしくは保険に入る必要がないほどの金持ちでないならば)たとえ死に瀕しても医療サービスを受けられないという事実をご存知でしょう。この本の中でも「アメリカでは、いのちはビジネスの対象だ」ということが繰り返し語られます。そしてオバマケアは、結局のところその「ビジネス」をいっそう過酷化し徹底する仕掛けでしなかったのです。

医療が単なるビジネスに、投資の対象になるということの意味を、私たちは今からでも真剣に考えなくてはなりません。あなたがどんなにひどい病気や怪我で死にかけていても、お金がない限り絆創膏一枚貼ってはもらえない。「貧乏人はすり切れるまで働いて死ね」というのが、弱肉強食のグローバリズム信者たちが奉ずる唯一無二の掟なのです。

グローバリズムは、市民社会を敵視する。
グローバリズムは、中間層をなくし99%の人びとを奴隷の地位に貶めようとする。
グローバリズムは、決して満足しない。1を取れば2を、2を取れば10を、10を取れば100を欲する。


大企業・大財閥のおぞましいばかりの強欲ぶり、恐らくそのほんの一端がこの本の中で手際よく紹介されています。TPPや国家戦略特区の危険性を充分承知している人も、一度は目を通しておいて絶対に損はないと思います。

著者が(そして多くの優れた論客が)かねて主張している通り、グローバリズムの矛先はとっくに私たちの日本の心臓に突きつけられているのですから。
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