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国政と地方自治(2018年度当初予算認定より)

3/29をもって多摩市議会第一定例会は閉会しました。
来年度予算の認定にあたり、私が会派を代表して意見討論を行いました。今の政治状況を鑑みて、思うところをかなり率直に申し述べたつもりです。

以下、やや長いですが再録いたします。

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伊地智恭子です。第5号議案平成30年度一般会計予算に対し、生活者ネット・社民の会を代表して可決の立場での意見を申し上げます。

1年以上の長きにわたり、国政が揺れ続けています。国有地の異常な値引き売却問題が発覚して以降、私たち国民の前に次々とさらけ出された事実はいずれも、国の中央でいかに公正・中立・誠実な政治運営がないがしろにされているかを示すものでした。ついには公文書の改竄という、近代以降の民主主義国家では到底考えられない不正行為が暴かれ、一般国民はもはや何を信じてよいのかわからない混乱状態に置かれています。

事件の全容はいまだ明らかになっていませんが、行政が本来あり得ない判断と手続きによって国有地を不当に払い下げたこと、その経緯を示す公文書を削除・改竄したことは、今や紛れもない事実です。国の最も優秀な官僚が、どんな動機であれ国民の財産である公の記録をねじ曲げ隠蔽してしまうのなら、一般国民は今後国の発信する何物をも信じることができません。

国際情勢も経済の行く末もますます不透明さを増していく、このような時代に私たち国民は、いったい何をよりどころにして日々の暮らしを組み立てればいいのでしょうか。

今こそ、地方自治の基盤をたくましく豊かに鍛えなくてはならないと思います。

件の国有地の問題が明らかになったのは、地元の市議が疑問を抱き徹底的に追及したからです。自治体はその名の通り、独自の権限と地域の繋がりを持つ固有の団体であり、国や都道府県の下部組織ではありません。住民と「顔の見える関係」を築き、常に住民の側に立ってその声を聞き、何よりも住民を守ることを第一義として運営されるものでなくてはなりません。

市長選を間近に控え、今後の市政運営も未知数の部分が多い今だからこそ、「住民と一体の立場で公明正大な施政を貫く」という自治体行政の大原則をしっかりと確認しておきたいと思います。

さて、本市の平成30年度当初予算の経常収支比率は97.2%、「行財政刷新計画」の目標値《95%以下》に届かなかったことは既に説明されている通りです。その要因の一つに「地方消費税の清算基準の見直しにより、歳入の大幅な減少が見込まれていること」が挙げられていますが、約4億円とされる減額幅が今後どのように変化していくかは予断を許しません。少なくとも現状は楽観的な見込みを立てづらく、同じ状況にある首都圏の自治体の多くが危機感を抱いていることは、先月行われた三多摩地域の議員研修会でも感じ取ることができました。

少子高齢化、特に労働人口の減少による財政の先細りと、社会保障費用の増大は先進諸国が抱える共通課題です。何をするにもまず持ち出されるのは「財源をどうするか」という難問です。自治体がやりくりに努めなければならないのは当然ですが、かと言って何事も国の方針通り、費用の削減や負担増をただ受け入れるだけとなれば、真っ先に影響を受けるのは社会的・経済的に弱い立場にある住民層です。「これまで通り」ではなく、「これまで以上に」住民の暮らしを守る自律的な取組みを強く希望いたします。

もうひとつ、特に多摩市の課題として「所管を横断する施策と事業」をいかに推し進めていくか、という点を指摘したいと思います。阿部市長が「これだけは成し遂げたい」と言明された健幸まちづくり事業はもとより、パルテノン多摩の大改修、ニュータウン再生、シティセールス等々、所管をまたいだ取組みが必要な事業は枚挙にいとまがありません。私たちの会派では行政の総合的なプロデュース機能や、そのための人材配置と育成についてずっと意見を申し上げてきました。風通しのよい職場で闊達な議論を闘わせ、まちのトータルコーディネイトに長けた人材を育てられる環境を作ること、これも今後ますます重要視される課題であることを重ねて強調させていただきます。

(個別の事業に関する意見は省略)

国の財政が厳しいと言われる一方、法人税率の見直しなどで企業の内部留保の額は上昇の一途をたどり、企業間の格差も進んでいます。また個人の貯蓄金額も総額では上昇していますが、貯蓄率は低下傾向で若い世代ほど貯金している人の割合が減っており、ここにも格差の拡大という社会現象がはっきり読み取れます。世帯の可処分所得額も右肩下がりが続いています。

アベノミクスは「富裕層をますます豊かにすれば、トリクルダウンで社会のすみずみにまで富が行き渡る」という考え方ですから、政府の取組みは前半部分だけが成功したと言うべきでしょう。国内消費が伸びないのでさすがに「社会全体への反映は道なかば」という説明がされていますが、アベノミクスが始まって5年、経済的に苦しい世帯はますます苦しくなったというのが実情です。特に年金生活者層は介護保険料だけでも3年ごとに値上がりするうえ、来年度から国民健康保険料も増額、物価も上がり、減ったのは年金支給額だけという深刻な状況に直面しています。

格差が広がっただけでなく、アベノミクス後の実質GDPは民主党政権時代の1/3しか伸びていないというデータもあります。算出基準改定によって大幅な金額操作が行われたために目立ちませんが、改定後の数値を見ても、東日本大震災に見舞われた民主党政権時代より現在のGDPは低調となっています。

この厳しい状況で国政は乱れに乱れ、忖度にあけくれた官僚政治はついに公文書の改竄という国家犯罪にまで行きついてしまいました。真面目に働き税金を納めている権力とは無縁の市民、8億円どころか数円の値引きも容易にはしてもらえない普通の市民を守るのは、重ねて申し上げますが地方自治体とその首長の最大の責務です。市民にとって最も身近な行政が、正しく市民と向き合いその暮らしを全力で支えることを切に望んで、生活者ネット・社民の会の意見討論といたします。
プロフィール

いぢち恭子

Author:いぢち恭子
2019年 市議2期目スタート
2015年 多摩市議会議員初当選

2013年 東京都知事選
宇都宮けんじ候補の選対にボランティアとして参加。

1981年 和光大学人文学部芸術学科入学。

1983年 同大中退。
舞踏家としてスタート。

1978年 都立永山高校入学 1976年 落合団地に引っ越す。

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