世の中にはいろんな人がいる、というあたりまえのこと

10/11(土)、世田谷区議会議員・上川あやさんの講演会に行ってきました。

これは「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」に学ぶ、というコンセプトのもとに企画されたイベントです。ところで、この条例を知ってる人って市内にどのくらいいるんだろう?(恥ずかしながら告白しますと、私はつい最近まで全く知りませんでした)。
考えてみると、私はこの多摩市の中ではほとんど働いたことがありません。私にとっての「社会」とはそういう意味では常に市外にあり、一番忙しい頃は「ただ寝に帰る場所」でしかなかったように思います。けれども、私が働いて得たお金の一部は(それがどんなに微々たるものであっても)この町の今と未来のために使われるのだし、何より私と私の家族の衣食住という「生きる基本」はここに根付いているのです。ン十年もここで暮らしててコレはいかんな、と内心忸怩。


話が逸れました。
講演会のタイトルは「多様な性を生きる」。講師の上川議員は、日本で初めてご自身の性同一障害を公表して選挙に臨み、現在3期目というキャリアを積んだ言わば現役の闘士です。最近は性的マイノリティ、LGBTなどといった言葉も少しずつ定着してきましたが、様々な偏見や法的・制度的不平等がどのくらい改善されたのかというと、門外漢の私ですら甚だお寒いものだという感覚を持っています。この問題の“最前線”に立ち続けてきた人のお話とは一体どのようなものなのか、言葉は悪いですがこちらは少なからず「興味津々」でした。

そして終了後のアンケート、私は「満足度」の欄に迷わず「200%」と書き込みました。上川さんのお話は何というか、非常に明晰で幅広いデータに裏打ちされていて、しかも聞きやすく判りやすいという申し分のない内容でしたが……その背景にあったご本人の体験談が、「申し分のない」などという形容を遥かに超えたものだったからです。



休憩を挟んで、講演内容はおおまかに3つに分かれていました。

1.性的マイノリティーはこれまで社会の中でいかなる位置づけをされてきたかという、歴史と医学的見地の変遷に基づいた解説。
2.現代の国際社会での様々な取り組みと変化、各国の社会体制や認識の違いなど。
3.講演者自身のライフヒストリーと、それにまつわる様々な思い。


この中で、特に私の印象に残った部分を順不同で書き出してみます(私の脳内で脚色・変形されたもの、と慌てて付け足しておきます)。

・性的マイノリティーに対する認識や意味づけ(法的根拠も含め)は時代と地域で著しく異なる。現代では同性愛者と公言している政治家も存在する一方、同性愛者を死刑に処す国家もある。言ってしまえば、全ての偏見や迫害の根拠はいい加減。

・LGBTがよしんば倒錯であれ異常であれ、本人は自分の意志でその性的指向を変えることなどできない。同性愛者を異性愛者に変えるのは、異性愛者を同性愛者に変えるのと同じくらい難しい(こういう指摘は故・澁澤龍彦氏の著作にもあった)。

・欧米でも日本でも、匿名アンケートなどで調べると「同性に惹かれた」経験を持つものが3~4割程度は存在する。こういった人たちの疎外感や悩みは非常に深刻で、自殺を考える人も少なくない。

・たとえば同性愛者・両性愛者と性同一性障害者では悩みの種類も解決策も異なる。「LGBT」という言い方で何もかも一くくりにしていいものか(←このあたり、相当伊地智の主観が入っております)。

・上川さんの幼少期から選挙に出ようと決意するまで。

……かなり色々とりこぼしているかと思いますが、とにかく最後に書いた部分が凄かった。ご本人は終始淡々と理性的に話しながらも、時々目頭を押さえていらっしゃいましたが、聴衆席からもずいぶん鼻をすする音が聞こえましたね。かく言う私も何度か眼鏡を外さざるを得ず……

女というだけでいまだ偏見や差別の根強い世の中、自意識にそぐわない体を変えて本来の《性》を生きようとする上原さんへの攻撃は、きっと私たちが推測するより何倍も何十倍も厳しいものでしょう。それでも「誰かが動かなければ変わらない」と一歩を踏み出した上原さんの勇気は、本当に尊く光り輝いて見えました。

そして、議会中でお忙しいにもかかわらず、上川さんはスピーチ後も別室で私たちと歓談してくださいました。貴重なお時間をどうもありがとうございました。


私たちの社会には残念ながら、もうどう考えてもくだらないとしか思えない差別があちこちに存在しています。中には、差別されている者同士による足の引っ張り合いや偏見もあります。

しかし上川さんは「声を上げなければ“そこにないもの”にされてしまう」と言います。「黙ったままでは状況は変わらない」とも。

ただのスローガンではない、決まり文句ではない、血が通った迫真の言葉の数々に私は文字通り心を揺さぶられました。理想は果てしなく遠いかもしれませんが、そこを目指すことを忘れたら人は人として生きられない。その困難と価値を、上川さんはまるごと自分自身というかたちで私たちに見せつけてくださったのです。

20141011_上川さん
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