日本の「外交」オンチを治しましょう

今日はまた、非常にエキサイティングで有意義な講演に行ってきました。その名も「戦後70年、いまこそ対米・アジア外交に新しい風を-沖縄米軍基地・安保法制・安倍談話を問う-」。

講師は猿田佐世さん。「新外交イニシアティブ」という団体の事務局長を務めていらっしゃいますが、そもそものは難民キャンプでのNGO活動を経て弁護士になった、というある種筋金入りの女性です。国際経験が豊富で、鳩山元総理が「沖縄基地の県外移設」を言い出して集中砲火を浴びたときの様子を、アメリカ政治の中枢ワシントンDCから見渡すという稀有な体験をお持ちの《非・永田町系日本人》なのです。
どういう意味かと言いますと、そもそもワシントンというのは非常に特殊な都市で、USAの首都だけに何らかの形で政治に携わる人間がほとんどなのだそうです。故に、そこに滞在している日本人も政治家・官僚・大手マスコミの特派員、それに大企業から派遣されたロビイストといった人種ばかり。
国際紛争解決学を学ぶべく大学に留学中だった猿田さんは、まさしくワシントン在住中に民主党政権の誕生を知り、《永田町系日本人》たちが当時どのようにふるまったかを珍しく外部の視点をもって観察できるポジションにいらしたのです。

いや、びっくりしました。立ち位置の違い、見る角度の違いでこんなに物事が違って見えるなんて、という意味で。
猿田さんが現在のような仕事もしくは任務をこなすようになるきっかけは、前述の鳩山さんが起こした“大事件”──普天間基地の県外移設を希望──でした。外務官僚をはじめとする《永田町系日本人》たちは、徹頭徹尾とにかく鳩山さんの声をアメリカに伝えない、そのためにしか動かなかった。あのときの鳩山さんの退陣はアメリカの圧力によるものと言われていますが、その実、鳩山さんの真意はアメリカ政府には全く届いていなかったのだということです。
日本政府の紐つきでなく、普通の視線で原状報告をすることができた猿田さんは、日本国内でやきもきしている基地反対派にとってうってつけの人材だったのでしょう。母国からの依頼を受けて、猿田さんは米国議員相手のロビイングや折衝を行うことになりました。そうした経験を通して彼女は、ワシントンの特殊性と日米の意識の違い、とりわけ日本のマスメディアがいかに偏った報道しかしないかを知ったのです。


当然と言うべきか、猿田さんは辺野古新基地建設に反対です。そこで、今年の翁長さん・稲嶺さんの訪米の際にもずいぶん骨を折りました。そのあたりのお話もすごく興味深いんですが、あれこれ書き始めたら多分キリがないので、ここはひとつNDで発行している本のご案内をさせていただきます。

虚像の抑止力(第2刷)/旬報社
執筆陣……柳澤協二、屋良朝博、半田滋、マイク・モチヅキ、猿田佐世。
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タイトル通り、安倍さんがしきりに持ち出す「抑止力」にどの程度の確実性が見込めるか、ということが書かれています。私はまだ出だしあたりしか読んでいませんが他にも貴重な養分になることが一杯詰め込まれているみたい。
今日の講師のお話同様、「国家の安全保障」という重大かつグローバルな問題を、安倍さん一派が言うような薄っぺらい紋切り型思考で捉えてはいけないのだ、ということじゃないでしょうか。

それは、この島国に住むわたしたちが「そんなの判るわけないじゃーん」と思考放棄することが許されない、そういう厳しい現実をも意味します。
猿田さんは「古典的外交からのシフトチェンジ」が必要なのだとおっしゃいます。外務省だけに任せている限り、私たちは永遠に精神的・情報的鎖国状態から抜け出せない。新しい外交チャンネルを作る可能性は、硬直した現行の官僚組織ではなく私たちの側にこそあるし、否が応でもそれを追求しなければ明日はない。私は、そんなふうに講師のメッセージを受け取りました。


ちなみに今日の企画は、多摩平和イベント実行委員会が主催しています。いやもう、すごい。そしてもったいない。もっともっとこういう講演会を日本各地で開いてほしい、と強く思いました。
さしあたり「新外交イニシアティブ」への加入を検討中です。鎖国日本の明日はどっちだ。
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